妄想住宅その2(モデルハウスに迫る)
さあ、目眩で動きたくない私はすることもなく、椅子に座って妄想住宅を考えております。(笑)
今回は妄想を薦めて皆様が一度は見に出掛けた住宅展示場のモデルハウスに迫る、手が届きそうで届かない、無理して買うには相当な度胸がいるクラスの家を設計してみましょう。
あ。知ってました?モデルハウスって殆ど駐車場無しですよね。駐車場を付けるとさらに土地が必要なんですねぇ。
例えば住友林業のモデルハウス。
こんな家や
こんな和テイストの家とか
目をキラキラさせて家の中に案内されて妄想は膨らみっぱなし。
凄く見せ方がうまいですよねぇ。私も一度は心を奪われましたもの。(^^)
で、その気になって打ち合わせを始めていくと土地や予算でどんどん夢は萎んでいく。
そして、できあがってみたら・・・。
あれっ。全然違うやんか~っ。
所謂、住林ならぬショボ林と言われる所以であります。
いやいや、冷静に考えて見ましょうよ。
モデルハウスの建っている敷地は100坪はあります。そこに建ぺい率を無視したあり得ないような夢の家を建てて皆様を誘惑しているんです。
当たり前ですよね。魅力の無い家を見ても誰も建てたいとは思いませんよね。
だから、モデルハウスは見てもいいですから、実例として建築済み物件の見学会に出かけて実際に一般ピープルが建てられるレベルの家をしっかりと受け止めることが必要です。
一番上のモデルハウスですが、延べ床が70坪くらいあります。建築面積は35坪ほどですから駐車場を含めた土地が最低でも60坪は用意しないと建ちません。
前回のように横浜近郊で80万/坪とした場合、土地代が4800万円、消費税込みで5200万円です。
住林さん辺りだと坪単価は100万近いですから、建築費で7000万、消費税込みで7600万円、外構費に300万円として約8000万円です。
土地と建物の総額は1億3200万円也~っ。
あり得ないでしょう。(^^)
実際に展示場のスタッフでも「これはデモンストレーションですから」と苦笑いする程ですから。
では、今回の妄想住宅です。モデルハウスに迫る家です。(^^)
土地 90坪
建築面積 約38坪
延べ床 約64坪 5SLDK
1階 LDK(28畳)+サービスルーム(六畳)、和室(六畳)
2階 洋室 8畳×2、6畳
少し斜めから
今回は駐車スペースを入れていませんが余裕で取れますね。実際のところ、建ぺい率60なら60坪で建つ家です。まだ、モデルハウスに対向するには力不足か。
間取りです。
1階
28畳のLDKに6畳のサービスルーム(建築基準法ではサービスルームと納戸は部屋としてカウントされないそうです)、和室6畳です。動線としては玄関ホールを中心にどちらからでもLDKにアクセスできます。ランドリースペースは乾燥室にもなるので部屋干しも出来ます。
なんと言っても玄関フロアが総吹き抜けになっています。来客は玄関を入った途端に高い天井に思わず口を開けて見上げることでしょう。
2階
洋室が3つです。玄関ホールを見下ろすように廊下が回り込んでいます。また、階段ホールも6畳あるので家族の談話スペースなどに利用できます。広いバルコニーは何に使うんでしょうか。ガーデニングでしょうか。
モデルハウスの演出効果を出してみました。(はっきり言って無駄な空間)
今回のお奨めポイントの玄関の吹き抜け。ゴージャスですねぇ。以前、中古住宅を見学に行った時に本当にこう言う家がありました。実はこれよりももっと広い玄関でした。今回は主寝室にウオークインクロゼットを付けてみました。
ホールから見ると
リビングをアイランドキッチンから
この家、横浜近郊で建てようとしたら確実に億は超えます。
我が家は当初2階建ての家を検討した際にほぼこんな感じの設計を積水の営業さんに提示したことがあります。見積もりは建物だけで6000万でした。当家は140坪の土地をを親類から2000万と言う超格安(路線価の1/3)で手に入れたので総額で8000万と言う金額になりました。通常金額で土地を買っていたらやはり億は超えていたでしょう。
結局の所、玄関で過ごす時間なんてほんの僅かですし、来客に対する見栄でこんな玄関を作ってもあまり意味がないと気づいたわけですが・・・。
新築に当たって、当初は無駄な空間が贅沢を演出すると考えていましたが、徐々にその考えは萎んで行きました。
「住む」と「棲む」の違い。
「住む」は所を定めて生活する、「棲む」は動物が巣を作って生活するとあります。
「棲む」は生きるために必要最低限の空間であり、「住む」は生活を楽しむ空間であると考えます。
果たして、我々が今住んでいる家はどちらに近いでしょうか。
さあ、次は予算度外視の平安京のお公家さんが住んでいたような家を設計してみましょう。
乞うご期待










