ゲームではない
戦略シミュレーションゲームと言うのをご存じでしょうか。
コンピューター画面上で戦争を行うゲームです。
私はこの手のゲームが好きで40年以上前からいくつものタイトルを遊んでいます。
以下のショットはサドンストライクと言う戦術寄りのシミュレーションゲームです。
戦略シミュレーションゲームと戦術シミュレーションゲームの違いは何か。
戦略シミュレーションゲームは世界地図上で戦われます。そこでは国力を高め、軍事力を増強し、兵団を育成し、外交を駆使して戦争を有利にするための戦略を立てて戦います。
戦術シミュレーションゲームは個別の戦場での戦いに主眼を置いたもので、兵器や兵士の使い方など、限られた兵力でどのように戦うかが主眼になります。
派手なシミュレーションゲームでは戦車や火砲をぶっ放して敵を殲滅するだけでゲームを進めるようなものが多い中、上記のサドンストライクでは兵士一人に注目して戦わせることもできます。
森の中を進み、敵の陣地に近づき敵の兵士を一人ずつ狙撃して倒していくことも可能です。
ゲームを進めると、その兵士に感情移入していき、ジョージなどと言う名前を勝手につけて戦いに没頭していきます。
兵士や兵器には戦いによる経験値と言うものがあり、ある程度貯まるとレベルが上がり、命中率や回避率などが上がって行きます。
ミサイルが飛び交う現代戦とは違い、太平洋戦争を舞台にしたシミュレーションゲームではこうした歩兵が主役で遊ぶことが可能です。
ジョージが敵の弾に当たって負傷すれば治療したり、場合によっては退却させますし、もし命を落とせば悲しくなります。
何を言いたいかと言うと・・・。
ゲーム上の一兵士であるジョージですが、彼にもこれまでの人生があるのです。もちろん、妄想ではありますが、農家の長男であるジョージは父親と共に農場を広げて家族と幸せな未来を築こうと願っていたかも知れません。
戦場にはジョージが何万もいるのです。
ゲームでは戦艦や戦車、戦闘機や爆撃機と言う単位で戦います。また、歩兵も数百人と言う塊で表示されることが多いです。
そして、被害を受けると数字だけが減って行きます。
そこにはジョージはいません。
次々に兵器や兵員を投入して戦いに勝とうと躍起になります。
戦争指導者にとっての戦争はゲームと変わりないのかも知れません。
プーチンは少年兵達に訓示を与えたと言う報道がありました。
国の未来を担う子供達まで戦場に送り出そうとしています。
まじめな話、こんなのはゲームの世界だけにして欲しいですよね。
追記
ロシア(旧ソ連も含む)は伝統的に人命が安い国です。
正規兵の月給は9万円、徴集兵の給与は日当3000円だそうです。どちらもあまり変わりませんね。
これがロシアの命の値段。
ちなみに第二次世界大戦で死亡した兵士の数ですが、ドイツは290万人、日本は230万人、アメリカは30万人、そしてダントツはソ連の1400万人と言われています。
たぶん、当時の独裁者スターリンはゲーム感覚で兵士を戦場に投入し続けたんでしょうね。