ぽこにゃん積水ハウスの里楽で平屋を建てる

2016年の7月に積水ハウスの里楽で平屋を建てました。
神奈川県のど真ん中に敷地130坪、延床43坪の家です。始めての庭造りや家庭菜園に悪戦苦闘しています。
趣味の釣りなど、遊びや日常のことも書いていきます。

改憲論議

安倍首相が憲法改正を2020年を目処に行いたいと考えているようだ。
その中でも物議を醸しているのが9条に関してと言うことは皆さんご存知だろう。
今回は私見ではあるが少しこの件に関して書いてみたい。
長文になる可能性が大であるため、興味の無い方はここで閲覧を止めることをお勧めしたい。いわゆる、女房が指摘する私本来の文章のくどさが発揮されるであろうと思われるからだ。


そもそも、どれくらいの方が日本国憲法と言う物に目を通したことがあるのだろう。
以下は日本国憲法の前文の一部である。
「日本国民は、正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、われらとわれらの子孫のために、諸国民との協和による成果と、わが国全土にわたつて自由のもたらす恵沢を確保し、政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。


日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」


要約すれば、国民が公正な選挙で代表を選び、その代表が勝手に戦争を起こさせないようしよう。また、世界の諸国は平和を愛しているからそれを信じて我々も平和を追求しましょう。よって、そのために日本人は戦いを嫌う善良な民族に生まれ変わらなくてはならないと強要している。ご尤もな内容であるし、日本人ならずとも全ての人の規範となる内容ではないか。


日本国憲法は9章103条で構成されている。
実は世界的に見ても日本国憲法は非常に短く、簡潔に書かれた憲法なのである。
英語に翻訳した場合、約5000文字ほどしかなく、他国の平均が21000文字もある中では異例と言える。
ネットで検索すれば全文が各所で掲載されている。流し読みなら15分もあれば読破出来るので一度は目を通されたらいかがであろう。
余談ではあるが、大戦以前の大日本帝国憲法は7章76条とさらに短い。


さて、現行憲法の生い立ちであるが、1945年10月にGHQのトップであったマッカーサーにより新たな憲法を作るように指示された日本政府は翌年の1946年2月に草案を起草して提出するが、マッカーサーはこれを良しとせず、部下の民政局長であったホイットニーに8日間で作らせた草案を渡して参考にせよとした。そして、翌3月初頭に現行の憲法案が承認され直ちに発布されたのである。
ただし、この憲法は国際的なハーグ陸戦条約と照らし合わせると違法なのである。条約には占領軍は他国の憲法に介入してはならないとあるからだ。また、憲法は国民全ての信を問わなくてはならないとしながら、一度としてそのようなことは行われていない。
このような話は殆どの日本人は知らないはずである。


さて、憲法と聞けば日本人のある程度の方が頭に浮かべるのが所謂9条の存在である。と言うより、浮かぶのは9条くらいなものだろう。つまり、日本国憲法が平和憲法と呼ばれる根拠がここにある。まずは、その条文を見てみよう。


第9条
1 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。


いかがであろう。文面を素直に解釈すれば、日本国民は国際平和を願っているので、戦争もしないし、そのための武器も持たないと宣言している。
ところで、世界に認められた平和憲法ではあるが、このような憲法は日本だけなのか言うとそう言う訳ではない。


国際紛争を解決する手段としての戦争を放棄する国
アゼルバイジャン、エクアドル、ハンガリー、イラリア、日本
軍隊の不保持を宣言した国
コスタリカ、パナマ
外国軍の基地設置や通過を認めない国
ベルギー、リトアニア、モンゴル、フィリピン
侵略戦争の否認を掲げる国
フランス、ドイツ、バーレーン、キューバ、韓国
などなど。
なんと、世界150カ国、全体の82%が憲法になんらかの平和条項を掲げている。


そう。世界はみんな平和を求めているのだ。だから日本も平和国家になるのだ。


ところが、どうだろう。日本が平和憲法を発布した4年後の1950年6月25日に金日成率いる北朝鮮が中華人民共和国の毛沢東とソビエト連邦のヨシフ・スターリンの同意と支援を受けて、国境線と化していた38度線を越えて韓国に侵攻したのである。所謂、朝鮮戦争の勃発だ。


平和憲法の前提である世界は平和を求めており、他国を侵略する戦争を望む国は存在しないと言う綺麗事はあっさりと否定された。


さもあろう。今次大戦で牙を抜かれた枢軸国である日本、ドイツ、イタリアの3カ国とそれに共鳴した国以外はそれまでの思想や体制を維持したまま現在に至っているのである。
殆どの国は大戦前の体質のままであり、なんら変わっていないのである。野望を抱かぬ国はそのままであるし、野望を持った国はその機会を虎視眈々と狙っていたのだ。
当時、中国は国民党を駆逐して台湾に追いやった毛沢東率いる共産党と、共産主義の拡張政策を基軸として東欧に支配権を拡大しようとしていたスターリンが野望を滾らせていのである。そして、アメリカを中心とした自由主義の西側諸国はソ連の拡張政策と真っ向から対立すべく北大西洋条約機構(NATO)を結成した。以降冷戦が開始されてソ連崩壊までにらみ合いを続いた。


激しい戦いの末、1952年1月に朝鮮戦争は停戦を迎える。
この戦争で南北の兵士が190万人、米兵が14万人犠牲になっている。ちなみに太平洋戦争時に死亡した兵士の数だが日本は230万人、ドイツは422万人、ソ連は1360万にと言われている。民間の被害が日本の80万人に対してドイツの267万人、その中でもソ連の700万人は他を圧倒している。
その後、ベトナム戦争が勃発。南北合わせて140万人のベトナム人の命が失われている。平和を愛するはずの世界では以後もイラク戦争やイスラム圏での紛争は後を絶たないのが現実である。
太平洋戦争の悲劇を精算すべく行われた東京裁判はなんら教訓とはならず、世界は再び戦火に巻き込まれてたのである。


世界中の国が殆ど加盟する国際連合と言うものがある。1945年10月24日、51ヵ国の加盟国で設立された組織で、国際平和と安全の維持(安全保障)、経済・社会・文化などに関する国際協力の実現を目的としている。2017年5月現在の加盟国は193か国であり現在国際社会に存在する国際組織の中では普遍的な存在ではあるが、敵国条項が存在するなど第二次世界大戦の戦勝国の色彩を持つ。


ところで敵国条項とはなにか。国連では国際紛争の解決には安全保障理事会の承認を得てことに当たる必要があるが、第二次世界大戦で枢軸国側に立った国、特にドイツと日本が侵略行動を行った場合には、安全保障理事会の議決に基づかずに強制行動がとれるという規定がある。つまり、この2カ国に関しては何かやらかしたら問答無用でボコボコにしていいと規定されているのである。
この敵国条項については削除する方向性で世界的なコンセンサスを得ているが、一部の常任理事国の賛意を得られず未だに削除に至っていない。一部の常任理事国とは推察の通り赤い大国である。かの国は未だに日本を侵略国と位置づけて、いずれは再び侵略国家として復活すると意図的に警戒している。(もちろんブロパガンダ的な性質を持つ)


さて、ここまで憲法9条とそれを取り巻く周辺事情に触れてきたが、我々の日本と言う国の国土がある東北アジアは平和な国に囲まれているだろうか。


南シナ海で一方的な島嶼占領を進め、東シナ海では日本の尖閣諸島の領有権を主張し、国境を接するインドなどと未だに小競り合いが耐えない中国、ウクライナのクリミアで軍事介入などでソ連時代の勢力復活を狙い、北海道に連なる北方領土の軍事基地化を進めるロシア、そして核開発によってミサイルを飛ばして周辺国を威嚇する北朝鮮、島根県沖の竹島を不法占拠してさらには対馬の領有権を主張し始めた韓国。
IS問題の紛争を除いて世界を騒がせている問題国家の殆どが日本の周辺にある国々であることにお気づきだろうか。


1946年に制定された日本国憲法は日本と言う国の牙と爪を奪うことを目的にアメリカの意図が強く反映されたものである。故に、その後の国際情勢の変化に伴いアメリカの国益に左右されて日本に自衛隊と言う純然たる国防組織が再編された。21世紀になって台頭著しい中国と覇権を争うアメリカは日本の防衛力増強に積極的に関与し始めている。
幸か不幸か、日本の自衛隊は設立以来他国との間で武力衝突は発生しておらず、戦闘により失われた命もない。護憲派と言われる人達は憲法9条があるから日本は安全なのであり国際紛争にも加担しないで済んでいる。これを守ることで今後も日本の安全は保たれると主張している。


平和主義は本当に世界から紛争を根絶できるのだろうか。


戦後、狼は羊にされてしまった。しかし、現在は羊の皮を被った狼に変貌を遂げている。
そして現政権は再び狼であることを宣言しようとしている。


周囲に羊しかいない平和な草原で暮らしているなら羊のままでも良いに違いない。


2020年の改憲に向けて日本国民はしっかりとした議論をしていかなくてはならない。分からないとか言って他人任せにしてはいけない問題だ。意見を述べず、意思も示さず、ことあれば他人のせいにするようなことがあってはならない。


子供や孫の未来の世代が平和で豊かな暮らしを続けていくためにもしっかりと現実を知り、出来れば子供達にも憲法とは何か、平和とは何かを教えていくべきだと思う。


面倒くさいことかもしれないが、それが我々大人の果たす役割なのだから。


余談ではあるが、私は今年高校生となった娘に小学校時代からこう言う話を聞かせている。日本の成り立ちから起こした戦争について、その原因と経過とその結末。そして、取り巻く周辺国との関係と日本が今後どのように振る舞うべきかと言うことを。

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